金価格が4,000ドル割れ、FRBの利上げ観測とドル高が重荷に──2013年以来の大幅な四半期下落へ
金価格4,000ドル割れの背景――FRBの利上げ観測とドル高が主因
2026年6月30日、金価格は1オンスあたり3,993.19ドルで取引され、前日終値の4,016.53ドルから約0.58%下落しました。これにより、金は4カ月連続の月間下落となり、2013年以来最大の四半期下落を記録しています。市場の主な動因は、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年複数回の利上げを実施するとの観測が強まったことです。6月17日のFOMCでは2026年の政策金利見通しが3月の3.4%から3.8%に引き上げられ、これにより、利回りのない金の魅力が相対的に低下しています。
マレックスのアナリスト、エドワード・マイアー氏は「高インフレ、高金利期待、そして強いドルが、通常金の高騰を支える要因を上回っている」と6月30日に指摘しました。また、オーグモントのリサーチ責任者レニシャ・チャイナニ博士も同日、「投資家はタカ派に転じたFRB、インフレの持続、そしてドル高に対応しながら金の価格下落を受け止めている」と述べています。
ドル高の進行と地政学リスクの緩和
米ドル指数(DXY)はマルチイヤーハイを更新し、6月30日には日本円に対して1986年以来の最安値水準に達しました。ドル高はドル建て資産である金の海外購入コストを押し上げ、需要を抑制しています。これが金価格の下押し圧力となっています。
一方、米国とイランの外交関係改善に向けたドーハでの和平交渉が6月30日に開催され、地政学的な緊張緩和が進んでいます。これにより、金に乗せられていた「恐怖プレミアム」が剥落し、価格の重しとなりました。こうした地政学リスクの緩和は、金の安全資産としての魅力を一時的に低減させています。
インフレと労働市場の強さがFRBの利上げ観測を支える
原油価格の上昇がインフレ圧力を強めていることも、FRBの利上げ観測を後押ししています。6月30日時点でブレント原油は1バレルあたり約74ドル、米WTIは約71ドルで推移し、供給リスクが依然として存在する中で価格を維持しています。これが消費者物価に波及し、インフレ率を押し上げる要因となっています。
さらに、米国の労働市場は堅調で、失業率の低さや雇用者数の増加が確認されています。これにより、FRBは金融引き締めを継続する姿勢を崩していません。7月2日に発表予定の6月雇用統計は、今後の政策判断に大きな影響を与えるため、投資家の注目が集まっています。
クロスアセットの動向と金の相対的な位置づけ
金と同様に銀も6月30日に下落し、1オンスあたり58ドルを割り込みました。こちらも4カ月連続の下落となっています。株式市場は対照的に堅調で、ダウ・ジョーンズ、S&P 500、ナスダックは6月30日に上昇し、アジア市場も四半期末にかけて好調な動きを見せています。
債券利回りの上昇も金にとって逆風です。利回りの高い債券は、金のように利息を生み出さない資産に対する魅力を相対的に減少させます。これが金の長期的な価格回復を遅らせる要因となっています。
市場の声と今後のシナリオ
独立系メタルズトレーダーのタイ・ウォン氏は6月24日に「FRBのタカ派姿勢とドル高、そして低下するインフレ期待が貴金属市場に重圧をかけている」と分析しました。一方で、「3,900ドル付近にサポートがあり、中央銀行の買い支えも続いているため、急落は考えにくい。今後は長期の調整局面が続く可能性が高い」と指摘しています。
INGのアナリストも6月24日に金価格の見通しを引き下げ、2026年第3四半期の平均価格を4,300ドル、第4四半期を4,600ドルと予想しています。これは、利回りの上昇、ドル高、ETF需要の減退が長期化すると見ているためです。
反対意見:依然として強気の声も根強い
一方で、ゴールドマン・サックスのグローバルコモディティリサーチチームは6月30日に「金の強気相場は終わっていない」と強調しています。ロシアの外貨準備凍結を背景に新興国中央銀行が金保有を増やす動きが加速しており、年末までに4,900ドルまで上昇すると予想しています。JPMorganやバンク・オブ・アメリカも同様に、中央銀行の買い支えや通貨価値の低下を根拠に6,000ドル台を目指す強気見通しを維持しています。
ワールドゴールドカウンシルの調査によれば、2026年2月から5月にかけて、中央銀行準備担当者の45%が今後12カ月で金保有を増やす意向を示しています。マウントルーカス・マネジメントのジェリー・プライアーCEOは「ドルの地位低下が続く中、金の長期的なファンダメンタルズは堅調であり、今回の調整は買いの好機と見ている」と述べています。
金市場の現状と今後の注目点
| 資産 | 価格(6/30/2026) | 前日比 | 主なドライバー | リスクレベル |
|---|---|---|---|---|
| 金(GOLD) | 3,993.19ドル/オンス | -0.58% | FRB利上げ観測、ドル高、地政学リスク緩和 | 中~高 |
| 銀(SILVER) | 58ドル以下 | 下落継続 | 金価格連動、需要減退 | 中 |
| ブレント原油 | 約74ドル/バレル | 安定~上昇 | 供給リスク、地政学情勢 | 中 |
金価格は現在、FRBの金融政策動向とドルの動きに大きく左右されています。7月2日に発表される米6月雇用統計は、今後の利上げペースを占う重要な指標となるでしょう。投資家はこのデータに注視しつつ、中央銀行の買い支えや地政学的リスクの変化にも注意を払う必要があります。
また、金投資を検討する際は、複数のブローカーの手数料やスプレッド、取引プラットフォームの利便性を比較することが重要です。例えば、eToroは多様な商品へのアクセスと使いやすいプラットフォームを提供しています。
よくある質問(FAQ)
- Q1: なぜ金価格は4カ月連続で下落しているのですか?
- A1: 主にFRBの利上げ観測が強まり、米ドルがマルチイヤーハイに達したことが金の魅力を減少させているためです。また、地政学的なリスクの緩和も安全資産としての需要を抑えています。
- Q2: 7月2日の米雇用統計は金価格にどのような影響を与えますか?
- A2: 雇用統計が強ければFRBの利上げ継続観測が強まり、金価格はさらに下落する可能性があります。逆に弱ければ利上げペースが緩和され、金価格の反発材料となるでしょう。
- Q3: 地政学リスクの緩和は金価格にどのように影響していますか?
- A3: 米イランの和平交渉などで緊張が和らぐと、金に乗せられていたリスクプレミアムが剥落し、価格の下押し圧力となります。
- Q4: 長期的に見て金は買い時でしょうか?
- A4: 一部の大手金融機関や中央銀行は、ドルの地位低下や中央銀行の買い増しを背景に、金の強気相場継続を予想しています。今回の調整は買いの好機と見る向きもありますが、短期的な市場変動には注意が必要です。
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